【投資・資産運用:第19回】
日本高配当株投資への挑戦
~購入の選定~

投資・資産運用

💡 はじめに

前回は、投資3年目の「次の一手」として取り組んだ 日本高配当株投資 について、始めようと思った背景や意義を書きました。

今回は、実際にどんな基準で銘柄を選び、どう組んでいったか を具体的にまとめます。

🧭 分散設計の前提

まずはポートフォリオの“形”を決めます。

  • 『銘柄数』:まずは20~25銘柄を目安にスタート(王道の分散度合い)
  • 『分散の軸』:東証33業種を意識し、業種が被りすぎないように配分

景気敏感株/ディフェンシブ株の考え方

日本株は大きく「景気敏感株」「ディフェンシブ株」に分けられます。

景気敏感株の例

  • 🏗 『インフラ・建設』:建設業、金属製品(公共投資・設備投資で変動)
  • ⚙ 『製造・素材』   :鉄鋼、非鉄金属、化学、機械、輸送用機器(海外輸出に敏感)
  • 🚗『自動車関連』  :輸送用機器(景気拡大局面で強い)
  • 💻『テクノロジー』 :電気機器、精密機器、情報・通信(IT・半導体市況の影響)
  • ⛴ 『輸送・貿易』  :海運、空運、倉庫・運輸(世界貿易・燃料価格の影響)
  • 🏦『金融』     :銀行、証券、保険(金利動向と連動)

ディフェンシブ株の例

  • 🍜 『生活必需品』  :食料品、医薬品(安定需要)
  • 🏠 『公共サービス』 :電気・ガス(水道関連は上場少/配当高め傾向)
  • 🧴 『日用品・小売』 :小売、サービス(ドラッグストア等)
  • 🏢 『通信・インフラ』:情報・通信(景気後退でも需要堅調)
  • 🏘 『不動産』     :不動産(住宅系は相対的にディフェンシブ寄り)

私はディフェンシブ多めを基本にしました(長期投資&メンタル安定のため)。

長期で“チャリンチャリン”と配当を受け取り続けるため、ディフェンシブ比率を厚めにする設計です。

【日本高配当株】私のスクリーニング基準

🎯 方針(大枠)

  • 高配当+株価のトータルリターンを狙う
  • 無理のない増配を重視(今の高利回りより“続く配当”)
  • 財務の健全性を外さない(減配・事故の回避)
  • 同業比較 × 5~10年の推移で判断(単年・異業種の横比較はNG)

✅ チェック項目(定義・目安・注意点)

  1. 株価トレンド(5~10年)
     右肩上がり or 回復基調かを確認。
  2. 配当利回り:3.2%以上
     3.2~5%は持続しやすい帯。6~7%超は減配注意。
  3. 配当成長(増配傾向)
     連続増配年数や年平均の配当成長率を重視。1株配当の推移でチェック。
  4. 配当性向:30~50%目安
     出しすぎは減配リスク、低すぎは株主還元が弱い。業種・投資局面で許容差あり。
  5. 純資産(自己資本):同業内で厚め
     規模・安定性の確認。自己資本比率や負債の質もセットで。
  6. EPS(1株純利益):水準より“伸び”
     5~10年で増加、凹凸少なめ。自社株買いの影響は切り分けて見る。
  7. PER:15~18以下を目安
     同業&自社過去レンジで評価(業種・金利で適正は大きく変動)。
  8. PSR:低め(参考)
     利益がブレる業種の補助指標。高配当投資では優先度は低め。
  9. PBR:低め(文脈次第)
     1倍割れは資産割安だが、構造不況のことも。ROEとセットで。
  10. ROE:10%以上
     資本効率。レバレッジで見かけ高に注意。自己資本比率も確認。
  11. ROA:5~10%目安(業種差大)
     資産効率。設備産業は低めでも正常/金融は0.x%でも健全。
  12. 自己資本比率:業種次第だが厚め
     製造・流通で30%超、ディフェンシブで40%超を目安(あくまで参考)。

🔍 補足(余裕があれば)

  • フリーキャッシュフロー(FCF)が安定プラスか
  • 配当のキャッシュカバー(営業CFで配当を十分賄えているか)
    → 「配当が続くか」の現実度が上がります。

🧭 私の選定法

  1. 業種を分けて候補を出す(景気敏感×ディフェンシブのバランス)
  2. 上記チェック項目で一次スクリーニング
  3. 同業比較&5~10年推移で“続く配当&無理ない成長”を見極め
  4. 利回り3.2~5%帯を中心に、増配傾向と財務健全性で最終絞り込み
  5. 業種分散しつつ、1業種1~2社でポートフォリを組む(偏り回避)
  6. 柔軟運用の原則:チェック項目は10個以上ありますが、業種特性によってはすべて満たさない場合があります。その際は総合判断で柔軟に対応します。
     例)電力・通信は配当性向が相対的に高めでも許容/金融はROAが低めでも業態上妥当…など。

✋ よくある落とし穴

  • 高利回りだけで飛びつく → 減配リスクの見落とし
  • 単年の数字で判定 → 複数年の推移で“体質”を読む
  • 異業種の横比較 → 必ず同業比較で
  • ROEだけ高い → レバレッジ依存の可能性。自己資本比率もセットで

✅まとめ

  • 配当利回りは入口。続くかどうかは配当成長と財務で判断。
  • ROE/ROA/自己資本比率で効率と健全性のバランスを見る。
  • 最後は 同業比較 × 5~10年の推移。ここだけは外さない。

次回は、この基準を使って実際に購入した銘柄をご紹介したいと思います。

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