【本紹介:第16回】
普通の人が資産運用で99点をとる方法とその考え方
~“1年に30分”でもブレずに続く、王道インデックス運用の設計図~

本紹介

【 基本情報】

  • 書名:普通の人が資産運用で99点をとる方法とその考え方
  • 著者:Hayato Ito
  • 出版社:日経BP
  • 価格:1,760円(税込)
  • 発売:2024年9月13日
  • ページ数:152ページ
  • ISBN-10:4296001825
  • ISBN-13:978-4296001828
  • ジャンル:マネー本/株式投資(インデックス中心)

(出典:Amazon商品ページ)

📝 どんな本か

ソフトウェアエンジニアの著者が、「市場平均=インデックスファンドを買う」ことを“99点の解”として、データとシミュレーションで道筋を示す一冊。元記事(はてブ日本1位・累計300万PVクラス)をベースに、書籍向けに全面書き下ろし・再構成された内容です。

特徴は以下の3点。

  1. “100点ではなく99点”の思想:完璧を狙うほどコスト(時間・精神)が増え、むしろ成績が悪化しがちという問題提起。
  2. 最小労力の設計:やるべきことは“年に30分で完結”レベルまで削ぎ落とす、と明言。
  3. 制度&運用のQ&Aを数値で解く:iDeCo/NISA/特定口座の優先順位、ドルコストの落とし穴、リバランスやレバの扱いなどを、数式・図表で整理。巻末に計算の考え方も。

記事の延長ではなく、最新の整理が本編に集約されている点も明示されています。

🎯 誰向けか

  • 新NISAでオルカン/S&P500の積立がメイン(またはこれから始めたい)
  • 最小の手間で“だいたい最適”に近づきたい
  • iDeCo/NISAの使い分けや、購入タイミングなどのモヤモヤをデータで解消したい
  • 個別株の深掘りよりも、仕組みで勝つほうが性に合う

逆に、個別株で超過リターンを取りにいく攻略本を探している人には物足りないかもしれません。

これは“生活者の投資”に最適化したガイドです。

💭 感想(2024年に読了)

ソフトウェアエンジニアリング出身である著者が、冷静かつ淡々と、日本におけるインデックス投資の現実的な最適解をまとめ上げています。

特筆すべきは、プログラミングと数理に裏打ちされたグラフやシミュレーションの数々で、主張とデータが一体化して前に出る構成。説得力が一段違います。

方法論はタイトル通りで、資産運用にかける時間を最小化しつつ“99点”の結果を狙うという考え方です。

お金だけでなく時間も資産だとすれば、インデックスの自動積立は“お金×時間”の総合効率で合理的だと感じます。

特別な銘柄知識が不要で、やることはシンプルに継続するだけ──この潔さで99点を取れる。

さらに、投資界隈でよくある論点、たとえば「iDeCo・NISA・特定口座の優先順位」や「購入タイミング」「ドルコストの注意点」といったQ&Aに対し、数値ベースで明確な結論を示してくれるのが便利です。

ありがちな誤解にも丁寧に線を引いてくれるので、知識の霧が一気に晴れました。

私もこの本を読むまでは「まぁ多分こうだろう」という勘と断片知識で運用していた部分がありましたが、優先順位や判断基準がクリアになったことで、日々の迷いが減りました。

特に、疑問が必ず湧くテーマのQ&Aがまとまっているので、記憶が曖昧になった頃に読み返す“辞書的な一冊”としても優秀です。

本書は“最適化の本”です。チャート当てゲームを降りて、仕組みとルールで勝つための思考の基盤をまず整えたい人に向けです。

インデックス中心で“年30分”の仕組みを整え、NISA・iDeCoの使い分けや買い時の迷いをデータで片づけたい人は、まず一度読んでおくべき一冊です。

✅ まとめ

良かったところ

  • 年30分レベルまでタスクを削る“省力化設計”が明快。
  • 制度×運用のQ&Aをデータと数式で整理(巻末の計算法も有用)。
  • 「99点」の哲学が、情報過多時代の“やりすぎ”を抑制してくれる。
  • 著者サイトにも経緯が整理され、書籍が最新であることが明示。

注意しておきたいところ

  • 超過リターン追求の個別株指南書ではない(インデックス中心)。
  • 細部の数式や前提にやや理系ノリがあるため、完全初心者は最初だけ戸惑うかも。
  • “ほぼ最適”を良しとする思想に合わない人(常に100点を狙いたいタイプ)には刺さりにくい。
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