基本情報
(出典:Amazon商品ページ)
内容紹介
この本は、アメリカの高校生向けに実際に使われている金融教育プログラムをベースに書かれた本です。
お金の基本的な考え方から、日々の生活や将来設計にどう結びつけるかまでを、ストーリー仕立てのようにわかりやすく解説しています。
難しい数式や制度の細かい仕組みではなく、「なぜ貯金が必要なのか」「どうして長期的に資産を育てることが大事なのか」といった、シンプルで根本的な視点を大切にしているのが特徴です。
また、キャリアの選び方やライフプランに直結する形で書かれているため、「お金=生活そのもの」としてとらえられる構成になっています。
「お金の知識は一部の人だけが持つ専門知識ではなく、すべての人に必要な生活の基盤である」という著者の強いメッセージが伝わってくる一冊です。
感想
資産運用を始めてからも、継続的にマネーリテラシー関連の本を読んでいた中で出会った一冊です。
「資本主義の本場アメリカでは、高校生がどんなお金の教育を受けているのか?」という興味から手に取りました。
内容を見てまず衝撃を受けたのは、アメリカでは高校生がここまで体系的にお金を学んでいるという事実です。
逆に「なぜ日本にはこうした教育がなかったのか?」と疑問が湧きました。
もちろんアメリカ独自の金融制度も解説されていますが、日本の仕組みと重なる部分も多く、十分に参考になります。
ただ、この本を読む意味は何よりも、
「アメリカ人は高校生でこの知識を学んでいる」
という事実を知り、日本人との知識レベルの差を実感できることだと思います。
日本ではNISAや投資ブームで環境は整いつつありますが、それでも「日本人はマネーリテラシーが低い」と言われ続けています。
この本を読むと、その言葉の本当の意味を理解できました。差がありすぎます。
投資を始める前に基礎本を読み漁って多少は知識を得たつもりでしたが、本書を読んで「いかに自分がお金について無知だったか」を痛感しました。
アメリカの高校生が学んでいる内容を、私は30代後半になってからようやく学んでいるわけです。
よく日本では「投資は危険」と言われますが、一方でインフルエンサーたちは「投資をすべき」と強調します。
ただ、あるレベルのお金の知識がないまま投資を始めるのはリスクが高いと改めて感じました。
総評
この本は、学生はもちろん、大人が読んでも得るものが多い一冊です。
アメリカの高校生が学んでいる内容を疑似体験できることで、自分のお金の知識レベルを客観的に見直すきっかけになります。
投資や資産運用を始める前に読むのもよし、すでに実践している人が基礎を固めるために読むのもよし。
「お金の基本を知らずに社会に出てしまった日本人」にとって、学び直しの教科書のような存在です。
これまで紹介してきた『お金の大学』や初心者向けのカラー図解本と比べると、文章中心でやや難しめです。
ただ、その分しっかりと体系立てて学べるので、次のステップに進みたい人にぴったりだと思います。